父と母が結婚する前、母には別の相手がいたそうなのだが、ある日夢の中で歩いていると突然横の道から馬が飛び出して、その後父と出会って結婚したという。一見何の意味もないように思えるが、母はその時の状況や立場で自分なりに解釈をして、「あれはこういうことやったんや」と私によく話してくれた。
他には兄を妊娠中、まだ性別が分からない時期に白髪の老婆が夢に現れ、金色の仏像を抱いて「立派な男の子や」と言ったという。
他にも数え切れないほど聞いたが、私は母なりの解釈の仕方がとても好きである。
年末年始実家に帰省した際、私が体調を崩してしまい、年始に自宅に帰った後も母と連絡をとっていたのだが、しきりに病院で一回診てもらいなさい、と言ってきた。元々心配症であるため気にしてはいなかったが、最近母と正月ぶりに会った際にこんな話をされた。
「実は、年末にお母さんが夢に出てきてん」
母方の祖母は十数年前に亡くなっていて、亡くなった後もたまに夢に出た、という話は聞いていたが年末に数回夢に現れたらしい。
更に、兄が先月体調を崩した日にも現れ、夢の中で兄をあやすような行動をしていて、立て続けに夢に出たことでなにか重病に罹っているのではないかと思っていたとのこと。
結局兄も私も何事もなく過ごしているが、その日の近況報告で、父は骨折をして、当人である母も胃の調子が悪いので病院に行ってくるという。
母は「お母さんは皆のことを診てくれていたんやな、気をつけなさいってことやね」と受け取っていた。
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